愛 ~①巻~
『ん~!』

助けて陸…。

水の中は…綺麗な水色と、

深い闇が広がっていた。
覚める事のない闇────。

バシャッ

『!?』

いきなり明かりが照らされた感じがした。

「未來…大丈夫か…?」
『陸……?』

目の前には陸が居た。

私は陸に抱えられていた。

「未來…掴まれって言っただろ」

陸は、私達が陣取った場所に私を降ろす。

『うぅ…怖かった…』

陸はポンポンと私の頭を撫でる。

「今頃こんなんで泣くとか、未來ぐらいだぞ」

『だって…ヒック…』

怖かった…。

今はそれぐらいの言葉しか頭に浮かばない。

「まぁそこが可愛いんだけどな」

陸はそう言いながら、私を、

タオルで包む。
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