愛 ~①巻~
「ほれ」

龍が布団の上に何かを乗せた。

『?』

私は布団の上を見る。

『カラポテ?』

カラポテとは唐辛子味の、

お菓子だ。

『なんで?』

「辛い物食うと、体が暖まるから」

『…ありがとう』

「…どういたしまして♪」

龍は笑顔で言う。

────ドクン。

心臓が跳ねるのが分かる。

心臓は正直だ。

私が龍を好きとハッキリさせる。

それと裏腹に切ない気持ちになる。
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