愛 ~①巻~
「未來?」

由希が私の部屋から顔を出す。

「どうしたの!?気分が悪い?」

私はドアの前でへたりこむ様に、

座っていたので、具合が悪そうに見えたのだろう。

『大丈夫だよ』

私は立ち上がる。

「未來…泣いてたの?」
由希が私の目の下を撫でる。

「もしかして陸にいじめられたの?
私が殴って来てあげる!」

由希が勝手に話を進める。

『由希…良いの。私が悪いから…』

「未來…じゃあ冷やさなきゃね!氷、持って来てあげるから、
ベッドで寝ててね!」

由希はそう言って、キッチンに向かった。
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