愛 ~①巻~
私は帽子を棚の上に置く。

「未來~氷だよ♪」

由希が部屋に入って来る。

『ありがとう……』

氷はとても冷たい。

私は薄いハンカチで氷を包む。

「んもう!陸と龍、知らない?こき使おうとしたのに居なかった!」

由希が愚痴をこぼす。

陸…龍…。

外に行ったのかな?

『何処に行ったんだろうね…』

心配では無い。

まだ昼過ぎだから、何か、悪い事は起こらないだろう。

なのに、この胸騒ぎは何?
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