愛 ~①巻~
「未來…。」

「未來…。」

「未來ちゃん…。」

だ……れ……?

《いやぁ!お父さん…!》

誰…泣いているのは…?
《龍……》

龍……?

《後悔なんてしないよ?》

後悔……。

「未來~」

わ…たし…。

────────────────

「み……ぃ…」

「みら…い」

誰…?

「未來!」

『ん?…』

「未來…もう朝だぞ~」
龍……。

『朝かぁ…ご飯作らなきゃね!』

記憶は少しずつ本当に…
少しづつ、思い出してます!

だけど…龍達の事は思い出せない…。

はぁ…。

「未來~♪」

『ふぇ…?』

私は龍の顔を見る。

チュッ

部屋に小さな甘い音が響く。

『ん~!ふぁ…ちょっ…』

龍は必ず朝にキスして来る。

正直、恥ずかしい。

『やめ…ふ…』

私が本気で叩いてもビクともしない。

お母さんが居たら、

絶対、怒るよね…。

お母さんは今、海外に行ってる。

お母さん…早く、帰って来て~!

『んん~!』

その前に龍をどうにかしなきゃ…。
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