愛 ~①巻~
~陸side~

未來の眼は赤く腫れている。

どれだけの時間が経っただろうか。

未來の母さんは従姉妹の家に寄るらしい。

「ふぅ…ッ」

未來は泣き疲れたらしい。

『未來…水飲むか?』

あんなに泣いたのだから水分補給しなくてはな。
俺は未來から離れて、お茶をコップに入れる。

「要らない」

未來の声は枯れている。
俺は未來の前に立って、
『飲め』

と、コップを差し出す。
「嫌」
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