猫かぶりな男とクールな女



ベッドから起き上がり、ミネラルウォーターを取りに冷蔵庫を開ける。




「………腹減った。」




冷蔵庫にはミネラルウォーターとマヨネーズだけが淋しく並んでいた。
仕方なしに、水を一気に喉へ流し込むと、寝ぼけていた意識が少しだけ鮮明になる。



空腹を満たす事を諦めた蒼介は、ソファに腰掛けタバコに火をつけた。


一度深く吸い込んで、一気に煙を吐き出す。
ゆっくりと消えていくその煙を蒼介はジッと見つめる。




― 変な夢……だったな


バイブ音が鳴る少し前。浅い眠りの中、蒼介は夢を見ていた。








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