猫かぶりな男とクールな女

「あらー………
蒼介君、弘美は純粋だからあんまりからかっちゃダメだよ」


化粧室へ駆け込む弘美を横目で追いながら、強めのカクテルを煽る彼女は…



「お久しぶりです、遥さん。」



「……蒼介君。変わってないね、その愛くるしい笑顔と……性格も」


木本 遥の言葉に蒼介の眉がピクリ反応する。
それを見逃さなかった誠が隣で吹き出した。
大学の先輩だった木本 遥。昔、誠と付き合っていたため、当時は蒼介の事もよく可愛いがってくれていた。



「……遥さんも相変わらず素敵ですね……………
32歳でそのピンクを着こなせるなんて」



「………あ、ありがとう」


引き攣った笑顔を返す遥を見て、誠が再び吹き出した。









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