猫かぶりな男とクールな女



明らかな落胆っぷりに、遥が自分に何か期待してるのは明らかだ。が、掘り下げれば余計面倒になるのは目に見える。




蒼介がさりげなく、ケータイとタバコをポケットにしまい、店を出る支度を始めると…




「その芸人とやらは知らないけど…付き合ったりとか、そういうの自体ずっとないんじゃないかなー。
寄ってくる男がいても、付き合うまでに至らないっていうか…」





「…………」




先程とは違うトーンで話す遥の言葉に、少し浮かした腰を椅子に戻す。





「あ……!
今、自分と一緒だって思ったでしょ!?」




蒼介の反応に遥は再び目を輝かせる。




「そんなんじゃありませんって。」




「何よー。
どうせ相変わらず女に期待させるだけさせて、寄ってきたら振ってるんでしょ!」





「………やり捨てするよりはマシでしょ。」





「あら〜。下品な事言うわね。」




呆れた顔で首を振る遥。





「体の関係をもたないなら、何が目的で期待させるわけ?
ちやほやされたいの?」



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