ギョルイ

 人間が魚の命を軽んじるように、サメにとっての人間の命などその程度でしかないのだろう。お互い様だ、文句はない。金魚が死んでも涙は出なかった。犬だったら、泣けただろうか。猫だったら?ハムスターだったら?ウサギだったら?
どうしても、魚の命は軽いように思えてしまう。
斜陽はいつの間にか眠りについて、部屋の中は藍色に支配されていた。


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