ギョルイ

 降り立った駅のホームで、また風からの暴力を受け――髪がまた嫌になるぐらい乱れた。重たい靴の底がコンクリートを鳴らす。
足がある。右足と左足、指が五本ずつ。きっちりきれいにサンダルに収まっている。真っ赤なペディキュア。金魚色にてらてらと光るそれが不気味に見える。


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