君に仕返し

少しためらったけど
このまま無視する訳にもいかないので
おとなしく電話に出た

「…もしもし」


「何やってんの?」


明らかにイライラした声




「だから飲み会だって」


「何時だと思ってんの?」


「別にいいじゃん。
明日休みなんだし」


私もつられてイライラしてきた


「明日土曜日だから会う約束してる
だろ。ってか、明日っていうよりもう
今日の話だけど。」


「会わない」


「は?」


「会いたくない」


強がっているわけでもなんでもなく
これは今の本心だ
こんな気持ちで会っても冷静に
話せる気がしない


電話口で真くんのため息が聞こえる


「いい加減にしろって。
とりあえず今から家行くから
帰れよ。いや、迎えに行くから
場所教えろ」


「嫌だ」


「涼子!」

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