white or brackⅡ

書斎に向かいながら考える

お母さんって天然のくせにしっかりしてるよね

財布を捜してたのだってきっとお父さんに黒い女の人の身元を調べてもらうため・・・

そう考えつつ書斎の扉を叩く

トントンッ

「お父さーん?」

「なんだー?」

そう言って扉を開けたお父さんを見上げる

龍ヶ崎風樹(りゅうがさき ふうき)

龍ヶ崎財閥の社長

お父さんもお母さんと一緒で40代に見えない

しかも2人ともかなりの美形・・・

咲にぃには遺伝してどうして私には遺伝しなかったんだろう

はぁ・・・

とそうだ忘れるところだった

「女の人拾ったんだけどその人の身元調べてほしいの」

「わかった。零もすぐに風呂は入れよ、この前倒れたとこだろ?」

「はぁーい」

お父さんに財布を預けてバスルームに向かって歩く

私の家族はすごくいい家族だと思う

お母さんもお父さんも咲にぃも皆美形でよく友達に羨ましがられる

3人ともちょっと過保護すぎるところもあるけど・・・

皆優しくてとても頼りになるし・・・

でも時々誰か足りないと思う

皆で夕食を食べている時

皆で雑談している時

ふと思う、あれ?誰か足りない

誰が足りないかはわからない

一度この気持ちを家族に言ったことがあったけど

なぜか皆が悲しい顔をしたからそれ以来言っていない

誰なのか考えたけどわからない・・・

でもなんだかもうすぐ思い出せそうな気がする・・・




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