white or brackⅡ
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「ぎゃ・・・く・・・たい?」
「そうよ。体中に痣と刃物で切ったような痕、それと・・・煙草を押し付けられたような痕が沢山あったわ」
虐待・・・
「きっと心にすごい傷をおってると思うわ」
しばらくの沈黙
コンコンッ
「はい」
沈黙をやぶったノックの音が聞こえてお母さんが返事をした
困惑で口を開けない私はボーっと一点を見つめていた
「零」
名前を呼ばれて初めて、さっき部屋に入ってきたのがお父さんだと気づいた
「お父さん・・・」
「あの子のことなんだが・・・存在が抹消されていた」
「・・・どういう・・・こと?」
お父さんは辛そうな顔をしながら語りだした
「初めに名前を検索してみたんだ、だが該当者が居なかった何度やっても結果は同じだった、だから次に保険証に書いていた住所を調べてみた、調べた結果最近名前が知れだした会社の社長の家だと言うことがわかった。で・・・」
「家族構成を調べたんだね?」
乗り出して言った私ににこやかにお父さんは言う
「そうだ。」
しかしすぐに険しい顔になって続けた
「家族構成は父母の2人と小学生の男の子が1人。でもなんだか違和感を感じて徹底的に調べてみた、すると破損された戸籍が見つかった」