white or brackⅡ

「何のことだ?」

「とぼけないでください。しっかり聞こえてましたから」

チッ

心の中で舌打ちする

どう切り抜けようか・・・

俺が一生懸命考えていると千鶴が思い出したように言った

「あ、白状する前に零を抱えてあげて下さい。立ったままっていうのは辛そうですし・・・ちなみにお姫様抱っこで」

人差し指をピンと立てて千鶴が言った

「・・・わぁってるよ」

口の端を引きつらせながら言って零を持ち上げると以前より軽くなっているような気がした。

「慧さんもしかして照れてます?」

軽く図星だったから無視していると千鶴は驚いたように言った

「慧さんともあろう人が好きな人1人お姫様抱っこするのに照れてるんですか!?」

ムッとして

「悪いかよ」

と言うと千鶴はニヤリと笑った

「慧さん・・・やっぱり零のことが好きなんですね?」

その言葉にハッとする

・・・はめられた

「チッ」

「舌打ちしても怖くないですよ」

やっぱりそうだったんですかぁなんて言いながらニコニコ笑顔の千鶴にムカついていると

不意に千鶴が言った

「そうなると・・・優香が裏切った理由を大体予想できる」

「あ?」

よく聞こえなくて若干不機嫌な声で聞くと千鶴はポツリと話し出した



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