white or brackⅡ
「藤岡真里菜って知ってますか?」
藤岡真里菜?
「誰だそれ」
そう言うと千鶴は苦笑いしながら言った
「零のこといじめてる奴なんですけど優香が・・・」
「ちょ、ちょっとまて」
聞き捨てならない言葉に待ったをかけると千鶴は誰かに似ている不機嫌な顔をした
「いじめてるってどういうことだ?」
素直に聞くとさらに不機嫌な顔をして言った
「はぁ?零から何も聞いてないんですか?そんだけ仲良いのに?」
チクチクと痛い言葉を言いながら俺と零を指す千鶴に頷く
「人前で泣かない零が慧さんの前では泣いたのに?」
「はい・・・」
「零が安心しきって慧さんの服を離さないのに?」
「はい・・・」
無意識に普段使わない敬語を使っていた
「本当に聞いてないんですか?」
「聞いてないです・・・」
「実は嫌われてるんじゃないですか?」
とどめの一言に心が折れそうになりながらも、今は零についての話の方が大事だから何とか耐える