white or brackⅡ

「仕方ないから教えますけど・・・」

そんな俺をよそに偉そうに言った千鶴は盛大にため息をついた

「真里菜は小さい頃から清凛のエスカレーター式で一緒だったんですけど・・・慧さんは零の素顔みたことありますよね?」

「あぁ」

その言葉で零を見る

零を見つめる俺を無視して千鶴は続ける

「零小さい時は素顔のまま生活してたんですけど、7歳ぐらいから急にそういう格好しだして理由は誘拐防止って聞いてるんですけど他にも何か理由があるみたいで・・・それは知らないんですけどね」

「7歳?」

「そうですけど・・・?」

「悪い続けてくれ」

7歳そう聞いて思い出したのは恭耶の話

悲しそうに話した恭耶の話とこの話は何か繋がっているのか?

考え込む俺に千鶴は怪訝そうな顔をしながら続けた

「・・・じゃあ続けますけど。零って可愛いからモテてたんですけど・・・
本人無自覚でしたけど。
真里菜が好きになった人も零のことが好きだったんです。
で当たり前ですけど告白したらフラれたんです。
そこで真里菜は零を恨んだんですけど、人間自分より勝っている人には強く出れないもので・・・そんな時零がこんな格好しだしたからここぞとばかりにいじめだした。最近は特に酷かったですよ?」

ペラペラと話す千鶴に呆れながらも

零が昔モテていたことにムカつきを覚える

昔のことだ・・・しかたない

と思ってもムカつく・・・

徐々に眉間に皺が寄っていく俺を見て千鶴が言った

「ちょっと慧さん聞いてますか?」

無言で頷くとまた話し出した





< 43 / 81 >

この作品をシェア

pagetop