white or brackⅡ
「好きな奴に会いたいのは当たり前だろ?」
「はい」
顔をしかめながらも素直に頷く千鶴
「泥棒猫って言われるってことは、零が真里菜から俺を盗ったと思ってるからだろ?」
「・・・はい」
「じゃあしばらくほっておけばいい」
「はい・・・は?」
頷いて怪訝そうに顔を上げた千鶴の顔が歪んでくる
「慧さんは零に会いに行くことをやめない、でもいじめも止めないってことは零に耐えろって言ってるんですか!?」
大声で怒鳴った千鶴に
「話を聞け」
と言ってから続けた
「俺は真里菜のことなんて知らないフリをして零に毎日会いに行く、でクラスの連中に零じゃなく俺が惚れてるってことを思い知らせればいい」
そう言うと千鶴は感心したように頷いた
「でも・・・その格好の零だったら余計風当たりが強くなるかも・・・」
「それは咲夜さんにでも頼んでみる」
千鶴の言葉に苦い顔をしながら言った
零の素顔を見せるのか?
なんかとてつもなく嫌なんだが・・・
「まぁ、そういうことだから協力よろしくな」
そう言って手を千鶴の肩にポンと置いて歩き出そうとした
その時後ろから聞き覚えのある声がした
「あれ?慧じゃん」