white or brackⅡ


「えっと・・・ありがとう」

初めて聞く弱気な慧の声に戸惑いつつも

お礼を言った私に体を少し離して

いつになく真剣な顔で慧が言った

「零お前に話がある」

「ぅん?」

「俺、零のことがす・・・」

す?

「す・・・「あ!」」


慧の言葉を遮ったのは疾風

ぶんぶん手を振りながら笑顔で歩いてくる

その横で額に手を当ててあちゃ~って言ってる恭耶

今更だけどウィッグは着けたまんまだったみたい

「零もう大丈夫なのか?」

そう言ってニコニコ近づいてくる疾風に

どす黒いオーラを放ち恐ろしい笑みを浮かべながらゆっくり疾風に近づく慧

「あーあ、疾風ドンマイ、俺知らね」

疾風の肩にポンッと手置いて同情の表情で疾風から離れる恭耶

(どこか楽しそうに見えた気もするが・・・)

「はぁ?なんだよ・・・慧なんで怒ってんの?」


その後、状況を理解できていない疾風の悲鳴が

病院内に響き渡ったのは言うまでもない・・・



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