2人の私とペレストロイカ。
「あなたは大事な令嬢よ」
「もっと勉強しなさい。」
「運動なんかしなくていいわよ。」
昔から言われていた言葉。何もしなくていいから頭はよくなりなさい。母から耳にタコができるほど言われていた。
泣きながら寝た夜もあった。
でも朝はもちろん一人で、いつも執事が、執事だけがそばにいた。
「おかあさまは?」
顔を曇らせながら、「朝早く出ていかれました。」わかってるよ。お母さんは忙しい。偉くて、強い。
だからせめて私はお母さんの前では強くいなきゃ。
…そうしたら気づけば私は弱くなっていた。
何にこんなに泣いているのかわからない。
強くなりたい。ただ強くなりたい。
それと友達がほしい。人形じゃなくて、卑怯な大人でもない友達。
聖なる夜、サンタさんにお願いした。紙に書いた字は涙で滲んでしまっていた。
今でも覚えている。
その日、もう一人の私ができた事を。