2人の私とペレストロイカ。
01-私の存在意義
「白南!」
後ろから聞き慣れた声がした。私は「結城ちゃん!」と駆け寄った。
暁 結城(あかつき ゆうき)ちゃん。
運動神経もよくて頭も悪くはない。可愛くて肩にかかる髪はさらさらしている。
例えるならお人形。直感的に思ったこと。
中学でできたお友達。
高校はクラスが離れちゃったけど。
「結城ちゃん、どしたの?」
私が聞くと結城ちゃんは「実は白南のクラスに幼馴染みがいてね。見に来たの。」と嬉しそうに言った。
「結城ちゃんの幼馴染み?」
良かったら一緒に行く?と誘ってくれたので、ついていくことになって教室に向かった。
私は結城ちゃんの幼馴染みなんだからきっと可愛いんだろうなぁ、と淡い期待をしていた。
教室の前につき、結城ちゃんがドアをスライドさせると、教室から騒がしい声が溢れてきた。
中に入って結城ちゃんは教室を見渡し、「あ!理雄!」と声をあげると机をかき分けてとある男の人の元に行った。
私も疑問に思いながらもついていくと、「白南、この人が幼馴染みの理雄。」と紹介してくれた。
「…え…?男の人…?」私はてっきり女の子だと思ったのに。
「どうも。佐倉 理雄(さくら りお)です。」ペコッと頭を下げるその人は、髪が少し茶色くて、背が私より大きく、今時の男の子らしい人だった。
私も名前を名乗り、ペコッと頭を下げた。
「幼馴染みが男の子なんて…すごい……。」私がポロっと呟くと、二人は「「え?」」と顔を見合わせて笑った。
もちろん私の頭には疑問符。
「白南はお嬢ちゃんだから…もしかして男の子と遊んだことない?」私が素直にうん。というと、隣で聞いていたら佐倉くんが「えぇっ?」と笑いながら言った。
よく笑う人。そう思っていたら急に「お嬢さまなの?」と聞かれた。
「あ、一応…。」
「なんでこんなとこに?」
「それは……。」