廻る世界


 その人は下を向きながら言った。


 「夕陽先生、調子悪いんで帰ります。」


 そう言うとダッシュで教室から出ていってしまった。


 「ま、いいか。今日は授業もないしな。」


 あ、いぃんだ。なら私もいっぱいサボるとしよう。

 一瞬だけどさっきの人があの人に見えた気がしたけど。


 「じゃあ鬼登の席はさっき帰った榊原の隣の席な。」

  
 私はコクりと頷いて席に座った。


 …退屈。
  
   ・・・

 俺は何故か走りだしていた。


 突如現れた彼女に動揺してしまったのかどうかさえ分からない。


 心臓がバクバクなってるし、やっぱかなり動揺してんな俺…


 取り敢えず学園長室の前まで走り、ノックして中に入る。

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