廻る世界

 並樹家から学園までの道のりは、徒歩で約10分。

 結構な近場だ。だが学園につく前にかなりの強敵が待っているのだ。


 それは…もぅじきわかる。


 校門までやってきて入る寸前で強敵が現れる。


 「榊原、おはようございます!!!」


 そぅ、こいつ…いや、この熱血教師が正直かなりウザイ。


 毎朝毎朝返事するまで何回でもおはようございますを連呼してくるんだよな。

 「熱井先生おはようございます」

 
 普通に挨拶をする、だが。


 「声がちっちゃいぞ!もう一度、おはようございます!!!」


 うぜえぇぇぇ。朝っぱらからめんどくせえんだよまったく。


 俺は靴をキチンと履き直し、クラウチングスタートの体勢をとる。


 位置に着いて、ヨーイと心の中で言い。

 
 「ドン!」

 
 全速力で下駄箱までダッシュ!

 
 「おい!?待て榊原、挨拶はどおぉぉしたああぁぁ!!!」

 
 完全無視して走る。


 …ほんっと朝は憂鬱だ。

 熱井を何とか撒いて自分の教室に入る。


 俺の席は窓際の一番後ろの席で寝るにはかなりのレアな場所だ。

 
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