【完】儚き恋
5歳になる、いとこと文化祭にきていた。
手を繋いでいたはずなのに、そこに直也はいなかった。
『直也ッ!!??』
アイツ、どこ行った??
探し回っていると……
「優兄ちゃん!!」
『直也ッ!!』
「お兄ちゃん見つかってよかったね、直也くん」
『どこ行ってたんだよ直也』
「リンゴ飴の屋台、ずっと見てたよ?」
『へ?』
直也の手には、大きなリンゴ飴。
「可愛かったから、買ってあげちゃった!」
その子は、クスクス笑いながら言った。
『迷惑かけて、スミマセンでした!お礼させてください』
「お礼なんていいよ?お互い受験、頑張ろうね?」
『あ、うん…』
「お姉ちゃんバイバーイ」
そう言って、名前も知らない彼女は去っていった。
…一目惚れだった。

入学式の日、お前に会えて、すっげぇ嬉しかった。
紗江は、覚えていなかったけど、俺は今でも鮮明に覚えてるよ?
紗江、俺、お前と付き合えて…すっげぇ嬉しい。
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