One Day~君を見つけたその後は~
ドアを開けたその人影は、部屋の入り口でいったん立ち止まったあと、ゆっくりと私たちの方へ進んできた。
その人物がどんな表情をしているのかは、手に持っている丸いお盆の底が邪魔をしてよく見えない。
だけどそのお盆の上には、きっと温かいコーヒーかココアと、私が家から持ってきたお菓子がのせられているはずだ。
私は横になったままの姿勢で、その人物──正確に言えばその人物が手に持っているお盆──に向かって、精一杯明るく声をかけた。
「おっ、お帰りー」
だけど、その人物は私たちのそばに突っ立ったまま、ぴくりとも動かない。
気まずい空気が流れる中、ヤマタロは私と並んで横になると、肩肘を突いて舌打ちをした。
そして、ため息混じりの声でこう言った。
「なんだ。もう戻ってきたのか」
バ……バカッ!!
何てことを言うんだ、こいつはっ!!
焦ってヤマタロを睨みつけたけれど、当の本人は悪びれる様子もなく、ふてくされた顔で私を見ている。
そして、私と目が合うと、私の髪を自分の人差し指にクルクルと巻きつけながら絶望的な一言を言い放った。
「これからいいとこだったのに、なぁ?」
その一言で、頭上の丸いお盆の底がみるみる震え始めた。
うわぁ……ヤバい。
その人物がどんな表情をしているのかは、手に持っている丸いお盆の底が邪魔をしてよく見えない。
だけどそのお盆の上には、きっと温かいコーヒーかココアと、私が家から持ってきたお菓子がのせられているはずだ。
私は横になったままの姿勢で、その人物──正確に言えばその人物が手に持っているお盆──に向かって、精一杯明るく声をかけた。
「おっ、お帰りー」
だけど、その人物は私たちのそばに突っ立ったまま、ぴくりとも動かない。
気まずい空気が流れる中、ヤマタロは私と並んで横になると、肩肘を突いて舌打ちをした。
そして、ため息混じりの声でこう言った。
「なんだ。もう戻ってきたのか」
バ……バカッ!!
何てことを言うんだ、こいつはっ!!
焦ってヤマタロを睨みつけたけれど、当の本人は悪びれる様子もなく、ふてくされた顔で私を見ている。
そして、私と目が合うと、私の髪を自分の人差し指にクルクルと巻きつけながら絶望的な一言を言い放った。
「これからいいとこだったのに、なぁ?」
その一言で、頭上の丸いお盆の底がみるみる震え始めた。
うわぁ……ヤバい。