One Day~君を見つけたその後は~
「仕方ないだろ。急に来るから、直す時間がなかったんだよ」

「そんなの、全然気にしないのに」

「お前と一緒にするな」

悪かったね、いつも見苦しい姿をお見せして!


……でも、良かった。

私、迷惑なわけじゃなかったんだよね? 
ちゃーんと、歓迎してもらえてるんだよね?

もしかして、ヤマタロって、こういうサプライズに弱いタイプ?


安心したら、思いっきり頬が緩んで。

今、自分がものすごくニヤけた顔をしているのが分かる。


嬉しくて、ヤマタロの背中に飛びつきたい気分だけど、そんなことしたら間違いなく怒られるし。

二人で階段から落ちちゃったら、怒られるだけじゃ済まなくなるし。

うん。やっぱりここは、我慢しよう。


おとなしくヤマタロの後をついて階段を上っていると、いつの間にか、トントントンって、私たちの足音がひとつに重なった。
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