One Day~君を見つけたその後は~
「うん……」

誰に見られているわけでもないのにキョロキョロしながらベッドのほうに足を進めると、待ち構えていたように手を引かれて。

あっという間に、ヤマタロの隣にすとんって落ち着く私。


うわー……。


横から視線を感じるけれど、恥ずかしくて、そっちに顔を向けられないよ……。

ヤマタロの隣は、いまだにドキドキするし、時々、ものすごく息苦しい。

だけど、それでも、居心地が良い。

こんな場所、他にないんだよね……。


「昨日、楽しかった?」

話を切り出したのは、ヤマタロだった。

「うん……。ちゃんと、いい子にしてたよ」

そういった後、

「あ! 別に、深い意味はないから!」

ってあわててつけ加える。

「もしかして、ご褒美の話?」

ヤマタロはクスッと笑ったあと、すぐに話を続けた。

「で。滝田とは、ちゃんとお別れできたの?」

「あ……うんっ!」

“ご褒美”のこと、突っ込まれるかと思ったのに、軽くスルーされちゃった。

よかった……。
でも、ちょっと拍子抜け。

この状況を意識しまくってるのは、私だけなのかも……。


そう思うと急に恥ずかしくなって。

私は軽く左右に頭を振って「変な考え、どこか消えちゃえー!」って自分に言い聞かせると、昨日の報告を始めた。
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