One Day~君を見つけたその後は~
「いっ、たーい!!」

今、星が見えた!
まぶたを閉じても消えない、チカチカした星が、いくつも見えたよ!

あまりの痛さに両手でおでこを押さえて悶えていると、今度は両肩をつかまれてそのままベッドに押し倒された。

「まっ、まっ、待ったぁーっ!」

ちょっと待って。
これって絶対おかしくない?

おととい、私のことを『大事な彼女』って言ってくれたし、
さっきも『めちゃめちゃ可愛い』って褒めてくれたばかりだよね?

それなのに、これじゃ、陽人とよくやってるプロレスごっこと変わらないじゃん!

一応、私、女の子なんだけどー!!


だけど、そんな私の悲鳴まじりの抗議も、ヤマタロの耳には届かなかったみたいで。

「めんどくせー! ほんっっとにお前は、めんどくせー!」

顔に、思いっきり枕を押し当てられた。


また言った!

めんどくせーって言いすぎだし、

『ほんっっとに』だなんて、心込めすぎだよー!


「く、苦しい……」

だけど、さっきの頭突きに比べたら、一応手加減はしてくれているみたいだ。

真正面から押し付けられているというよりは、枕の両端を押さえて顔を包み込まれている感じだから、痛みは全く感じない。

ただ、枕でぺったんこになっている鼻が、ちゃんと元に戻るのか心配になるだけで……。

「鼻、つぶれそう……」

「お前の鼻は、三ヶ月前につぶれたんじゃなかったのか? それとも、まだこれ以上低くなるわけ?」


ああもう、ヤマタロって、怒らせたら本当に厄介!


私は、じたばたもがきながら、残った力を振り絞って叫んだ。

「ギブーっ! 鼻がめりこんじゃうよー!」

「だーかーらー、おとなしく責任取らせろって言ってるだろ!」


やだ!

そんな責任の取られ方、されたくないんだけどー!!
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