One Day~君を見つけたその後は~
少し気持ちを落ち着かせると、私はヤマタロとの話を再開した。

「ねえ、ヤマタロ。もし深月がこのまま“オレ”の正体に気付かなかったら、どうするつもり?」

「どうなんだろうなー。そのうち黙ってられなくなくなるんじゃね?」

「告白するってこと?」

「……まぁ、そこらへんは成り行きで。深月はあーいうヤツだから、焦って結果を出そうとは思ってないんだけど」


……どうしてだろう。

好きな相手に自分の気持ちが伝わっていないっていうのに、そんなこと全然気にならないのか、ヤマタロは楽しそうに深月のことを語り続けた。


「いつか、ヤマタロの気持ちがちゃんと深月に伝わるといいね」

「ありがと」

「……深月のこと、泣かさないでよね」

「当たり前じゃん。そんなことしたらお前らにどんな目に合わされるか、考えただけで身震いするって」


そんなことを言いながらも、ヤマタロの瞳はまっすぐに私に向けられていた。


それはいつものふざけた表情とはちょっとだけ違って、男らしくて。

なんだ、ヤマタロってこんな真面目な顔もできるんだって、見直してしまった。
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