One Day~君を見つけたその後は~
2.正午(校庭・ヤマタロ)
──全く、どうしてオレの周りにはこんなに大人気ないヤツが多いんだ?
『類は友を呼ぶ』
そんな言葉、オレは絶対に認めない。
それは陽人から、午前中の練習を終えてヘトヘトになって部室に戻ったオレへの、ささやかな嫌がらせだった。
ロッカーの扉を開けた瞬間、オレの目に飛び込んできたのは、プリングルズの派手なパッケージ。
蓋なし。
しかも横倒し。
おいおい、勘弁してくれ……。
粉々になったポテチの屑が、丸めて突っ込んでおいた制服の上に散乱してるじゃないか。
ロッカーの中はやたらと油臭くて、練習を終えたばかりの疲れきった体にはまさに毒。
制服を手に取って嫌々鼻を近づけると、それには案の定こってりした独特のにおいが染み付いていた。
こんな気持ち悪いもの、着られるか!
オレは制服を再びロッカーに押し込んだ。
だけど、ここで騒いだら陽人の思うツボだ。
「おい、陽人。何だよこれは」
オレは、何食わぬ顔で俺の隣に立ち、着替えを始めていた親友の陽人に一瞥をくれると、できるだけ冷静にそう言った。