One Day～君を見つけたその後は～
──そうだ。


言われるまで全然気づかなかったが、マネージャーの後をついて歩いていたのは、沢崎エリナだった。


「彼女、沢崎エリナっていうんです。私と一緒にうちのマネージャーをしてくれることになったんで、紹介したくて！」

嬉しそうに説明するマネージャーの後ろから、制服姿のエリナが相変わらずよくできた笑顔を覗かせる。


「沢崎です、よろしくお願いしまーす」

えらく愛想を振りまきながら、オレ達を交互に見つめて笑うエリナ。


だけど、そんな可愛い笑顔も、あの鬼のような形相を目の当たりにしたオレにとっては滑稽にしか見えない。


……コイツがマネージャーだって？　

これから毎日コイツと付き合わないといけないなんて、なんかめんどくせーな。


だけど、そんな心配は無用だった。

エリナがオレの顔を見たのは、それが最初で最後で。

「正式には来週からなんですけど、少しでも早く様子を知りたくて、遊びに来ちゃいました！」

そう言うエリナの熱い視線は、陽人だけに向けられていた。



……なるほど。そういうことか。

まさか本当に陽人狙いでくるとは……コイツ、なかなかしたたかな女だな。


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