One Day~君を見つけたその後は~
「ちょっと待って、ね?」


これは本格的にヤバイ……。

そう思った私は、出来るだけ彼を刺激しないように、ゆっくりと体を後ろに引いた。

だけど私の後ろにあるのはベッドで。
なんだかそっちに逃げ込むと、更に状況を悪化させてしまう気がして。


──どうしよう。
私、逃げ場がないんだけど。


「少し落ち着こうよ、ねっ?」

「オレは落ち着いてるけど?」

「うん……えーとね……その……話をするにはちょっと顔が近すぎると思うんだー」

「そりゃそうだろ、わざと近づいてるんだから」


極度の緊張感。

そして、真顔でさらに迫ってくる彼に貞操の危機を感じて、私は思わず絶叫してしまった。




「ちょっと、ヤマタロっ!! ちょっと待てー!!」



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