One Day~君を見つけたその後は~
昨日のあの怒りは何だったんだ?
俺は絶対にあいつらの話題を出すまいと、かなり意識して頑張っているというのに。
俺が不満げにそのことについてイヤミを言うと、チョコはあっけらかんとこう答えた。
「イヤだなぁ、昨日とは状況が全然違うでしょ! 今はこうして陽人と会ってデートしてるんだから、どんな話をしてもいいんだよ!」
……悪いが、俺には全然理解できない。
わけの分からない屁理屈をこねやがって。
女ってやつは、どいつもこいつも、どうしてこう小難しいことを言うんだ?
だけどその後、
「やっぱり、電話で声を聞くだけじゃ寂しいよねー。陽人とはずーっと一緒にいたいな」
チョコの口からそんないじらしいことを聞かされると、俺の不満なんて瞬時にどこか遠くへ吹き飛ばされてしまって。
なんていうか。
不満も何もかも、どーでもよくなってしまうから不思議だ。
「そんなの、俺だって同じだ!」
大きな声でそう答えた俺は、あまりの恥ずかしさにチョコの顔を見ることが出来なかった。
照れ隠しに、目の前のアイスコーヒーをぐぐっとストローで一気飲みする。
チョコは何も答えなかったが、その視線が俺に注がれているのはビシバシ伝わってきて。
チョコは今、どんな顔をしてるんだ?
……俺は、緊張しながらそれを飲み干した。