One Day~君を見つけたその後は~
俺はこれまで、チョコにまともなプレゼントを贈ったことが一度もなかった──。



まずは、付き合い始めた年のクリスマス。

俺からチョコへの最初のプレゼントは、駅前のコンビニで売っていた携帯のストラップだった。

しかもチョコが「お揃いがいい!」と言うもんだから、お互いにプレゼント交換する形になって。

「本当にこんなものでいいのか?」と何度も聞いたけれど、チョコは笑って「うん!」と喜んでくれた。

お手軽すぎるクリスマスプレゼントに一抹の不安は残ったけれど、コレで済んでよかったという安堵感もあった。



そして次は昨年の三月。初めて迎えるチョコの誕生日だ。

だけど、金があればあるだけ使ってしまう、貯金という言葉とは全く無縁の俺は、その月も小遣いギリギリの生活を送っていた。

……あれは、チョコの誕生日の数日前だったか。

「ごめんチョコ! 今俺、金欠で……」

俺がそう言って頭を下げると、チョコはいつものように笑って、

「いいってば、物なんていらないよー」

と言ってくれた。

そして、その後続けて、

「その代わり、日が変わる瞬間と、私が生まれた時間に、誰よりも先におめでとうって言ってね!」

そんなけなげなリクエストをしてくれた。


──よし、それだったら俺にもできるぞ!


俺はそこでもまた、チョコの好意に甘えてしまったんだ。

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