17歳
麻衣が手を振る先に麻衣の好きな人、森くんがいた。
背はそんなに高くないけどなかなかかっこいい。

「ごめん友香、ちょっと待ってて」

麻衣が森くんと二人で話をしたいらしいので、私はその辺で時間を潰すことにした。
ぶらぶらと歩き回るけど、特に面白いものはない。
結局、さっきのお店の前に来てしまった。

「戻ってきてくれたんだ!さっきの子は?」

「今友達のところに行ってるんだ」

なんとなく、この人の狙いは麻衣だったんだなと気付く。
もうそんなことには慣れてしまったから、別に傷付いたりしないけど。
麻衣と二人でいる時に出会う男は、たいていが私じゃなく麻衣狙いだ。

「そっか。二人とも高校生?」

「うん、西高」

「友香ーぁ!待たせてごめんね!」

タイミングよく麻衣が戻って来た。

「おかえりー。これからどうする?」

「ごめん、呼び出しかかっちゃったからもう行かなくちゃ」

麻衣がすまなそうに目配せする。
多分本命の彼氏だろう。

「帰んの?送ろうか」

お店の奥に座っていた人が出て来てそう言った。
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