THE CANCEL
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「起きませんねぇ…」
総司はさっきから頬を突いたり、髪の毛をグシャグシャにしたりと、ずいぶん勝手なことをしている
それにしても、
こいつの髪の色は何だ?
茅のような色をしたその髪
俺達からしたらありえない色だ
―異人か?
「この髪の色、綺麗ですね!
異人ですかね?!」
「あぁ、その可能性が高いな…」
総司はひどく興味を持ったようだ
こいつは、結構見た目によらずガキだからな
「おい、総司 いい加減出ていけ」
「えー 嫌ですよ
それに、まだこの子起きてませんよ」
「だったら、そのガキをおまえの部屋に連れてけ」
「嫌です
土方さんの部屋の方が居心地いいし、邪魔できるし」
「おいッ! 邪魔できるしって、意味分かんねぇよ!
つーか、ここにいる時点でもう既に邪魔だ!」
総司が俺の部屋にいる限り、こいつから目を離せない
離したらその隙に部屋を物色される
だが、今、総司の興味はこのガキにある
コイツさえ起きれば、総司の気は逸れるだろう
俺としても、コイツが何者なのか気になる
ただのガキな筈がないからな
もし間者なら、
その時はぶった切るまでだ
「よし……」
そこまで決まると、俺はガキを引きずり部屋を出た