クールな彼氏【短編】
「…それ、言わないとダメ?」
「ダメっ」
そう言ったあたしに、眉をしかめて明らかに嫌そうな顔をする秋ちゃん。
……秋ちゃんの言葉が欲しい。
ジィッとあたしが見つめると目をそらして、髪をクシャとさせる秋ちゃん。
そして何秒か、無言になって。
ようやく降参した様に秋ちゃんは口を開いた。
「…キライじゃない方。」
“何だそれっ!”って思わず言いそうになったけど、
「…恥ずっ」
そう言って、何だか照れてる秋ちゃんを見て、
“あぁ、これが秋ちゃんの精一杯なんだろうな”と感じた。
「あたしもキライじゃない方っ」
あたしはニッコリと笑って言う。
「…じゃ、別れない。
てか別れてなんかやんない」