クールな彼氏【短編】
「秋ちゃんっ、帰ろっ!」
「ん」
──いつもの秋ちゃんとの帰り道。
もちろん手を繋ぐわけでもなく、ただただ隣に歩いていく。
あたしがいっぱい話して、秋ちゃんは単語で返す。
いつもと変わらない。
だけど今日は──。
「あ、秋ちゃんっ!」
ピタリと止まって秋ちゃんを呼ぶ。
すると秋ちゃんも足を止めて、あたしを見た。
「……真美?」
秋ちゃんは不思議そうに、そうたずねてくる。
「あの……」
いざとなると、何だか言葉が出ない。
あたし…っ頑張れっ!!
「秋ちゃんは……っ、
あたしの事好き…?」