クールな彼氏【短編】
秋ちゃんのバカ。
あたしが好きか聞いた時、秋ちゃんは答えてくれなかった。
ほら今だって──。
“別れよ”って言ったのに、おいかけても来てくれない…。
やっぱり…あたしだけが“好き”だったんだ。
ギュッと唇を噛み締める
噛み締てるのに──…
ポロポロと涙がこぼれて止まらない。
秋ちゃんのバカ…。
だけどあたしはもっと大バカだ。
秋ちゃんが大好きなのくせに“別れよ”なんて、言っちゃって……。
「…っ秋ちゃ…」
ねぇ、あたしは、秋ちゃんを忘れられますか…?
─────……。
「「えぇ、別れた!?」」
由希と愛は目を丸くして言う。
「うん」
「目、そんなはらして…」
昨日泣きすぎたあたしの目は腫れていてひどい目になっている。