クールな彼氏【短編】
「へへっ。
やっぱ、あたしの片思いだったみたい…」
おかしくもないのに、ニヘラとあたし笑う。
「…真美」
「あっ、次、移動教室じゃん。
早く行こー」
そう言って由希逹の言葉を聞かないで、授業の準備をする。
……お願い。
今はソッとしておいてほしい。
そうじゃないと、また涙がこぼれちゃいそうだから…。
「真美っ、帰ろ?」
──放課後。
由希と愛が心配そうに声をかけてきた。
「…うん。ごめんね?なんかっ」
二人だって彼氏いるのに…。
何だか悪い気がしちゃう。
「何、言ってんのっ!」
「そうそうっ。
うちらは親友でしょ」
ニコリと笑って言う由希と愛。
いつもはふざけたりしてるけど、やっぱり二人はすごい優しい。
あたしも、いつまでも落ち込んでちゃダメだ…っ。