クールな彼氏【短編】
「じゃ、帰ろっ」
由希の声に、急いで教科書とかを鞄に詰めこむ。
あ…れ?
「ごめんっ!
あたし、さっきの移動教室のとこに忘れ物しちゃったっ。
とってくる!」
「うちらも行こうか…?」
「ううんっ!
待ってて…っ」
そう言って、急いで階段を登って移動教室に向かう。
────…。
「あった、あったっ」
移動教室に行くと、忘れ物がおいてあった。
…よしっ、
由希と愛が待ってるし、早く行かなきゃ…っ。
そう思い、移動教室から出て自分の教室に向かおうとした。
「……ら先輩っ」
「………けど」
…だけど移動教室の隣にある教室から、聞き覚えのある声が微かに聞こえてあたしの足は止まった。