プレイボール
気がついたときには親父と当たり前にキャッチボールをして、親父がいないときは母さんを無理矢理外に連れ出してキャッチボール、両親がいないときは小学校の校庭にある「マト」 や体育館の壁相手にキャッチボール。

そうやって着々と当たり前のように野球少年になった。

地区野球でレギュラーになっているような選手が町の代表「中央野球少年団」に所属しチームが成り立っていた。

同級生の川上、花沢、日比野に誘われ、誘われるまま「中央野球少年団」に入ることを決めたのだが周辺の市町村の中でダントツに弱いチームだった。
きっと周りのチームからしたら絶対に負けることなんてない「安牌」だったんだろう。

事実僕が六年生になるまで一回も勝った記憶すらない…。正確に言うと六年生の最後の大会まで勝ったことがなかった。
弱い上に上級生からはいじめられるし、監督はすげぇおっかない人だしすぐにやめようかとも思った。

けれど一緒にチームに入った三人とやめないで頑張り続けてこんな最低チームをおれたちが変えてやろうと誓いあった。
ちょっとした野球マンガの主人公にでもなったつもりで誇らしかった。
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