プレイボール
大人顔負けの縦割り社会。これが「中央野球少年団」の現実で、憧れていたチームの実体だった。

四年生は練習に参加させてもらえず、球拾いや道具の準備、後かたづけなどまさに雑用係。
どんなに上級生より上手くても練習できず、逆にいじめの対象になったりしていた。

五年生は実力で主力の選手になれるか雑用係のリーダー的存在にさせられるかがきまる実力主義の世代。
さすがに五年生がいじめられたりしているのは見たことがなかった。

問題は六年生で、上手くても下手でもレギュラー候補。
実際に明らかに自分よりヘタクソなのに試合に出てる人もいた。

こんな感じで万年一回戦負けチームが構成されているので強くなれるわけもないし、競争意識もうまれない。
悪循環が毎年繰り返されていた。

四年生の時は試合に行ってもベンチの外で大声をだしているだけ。

ほんとにつまんなかった。応援しないとまたいじめられるのでしかたなく応援はしていたけど心の奥底では負けちまえと思っていた。

ただ一つ楽しみだったのが隣町の常に大会で優勝するような強豪チームを間近で見られたこと。

それと四人でした誓いだけを胸に一年間耐え抜いた。
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