ラヴァーズ・ゲーム
うっかりペースに巻き込まれ掛けた事を、不覚に思った。


そうさせてしまう舞子。


辛にとって、こんな人間は新鮮だった。


だからと言って、馴れ合いたいわけじゃない。


「アレ、持ってる?」


長く息を吐き出すと、辛が舞子に聞いた。


「ホレ薬ですか?


・・・持ってます」


舞子が差し出した手に、二粒の飴玉が転がる。


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