王子様は旦那様
ちょっと、苦しいんですけど…。


「絶対幸せにするから」


神矢君はそう言って、あたしとの距離を少しとって、あたしの目を見つめる。


ドキドキと心臓の動きが速くなった。


神矢君の目を何故か逸らせない。その焦げ茶色の瞳に吸い込まれそう。

そんなコトを思いながら、神矢君を見つめていると、

「…正式に俺と“婚約”してほしい」


真剣な眼差しで言ってきた。


何かこれって、プロポーズじゃない!?


ひゃ〜///。さっきは、強引だったのに、何故また改めて??


「やっぱ、無理やりは悪いと思って…」


神矢君が小さく呟いた。


あたしまた、考えてるコト顔に出ちゃってた!?
ほんと、気を付けよ…。


「で、返事は??」


「へ!?あっ、えーと〜…」


じぃーっとあたしの返事を待っている神矢君の瞳は、何か不安そうだった。


また、胸がギュッと痛くなった。

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