王子様は旦那様
すると、神矢君はズイッと顔を近付けて


「無理じゃない。俺の名前呼んで?くるみ」

甘い声と妖しい笑みを浮かべて言ってきた。


うぅ〜(涙)
こんなのズルいよぉ。
名前呼ぶしか、あたしに選択肢はないじゃん!!


だから、あたしは勇気を出して


「た、」

「た?」

「た、た、たた……拓斗///…」


と小さい声で言った。


小さい声でもちゃんと呼んだのに


「え?何?聞こえなかった。もう一回」


と“黒王子”がニヤッとしながら言った。


こんの鬼!悪魔!ドS!腹黒!


絶対、聞こえてたでしょ!!

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