新撰組と一人の少女-sinzyu-(再)
第六巻
あれから1ヶ月後のことだった。
私に大きな問題が襲いかかってきたのだ。
「…そ…んな…。」
私は汗を流し、息を呑んだ。
その内容はーーー…。
“私の親戚が迎えにきたらしい”
これは佳代ちゃんから聞いた、ただの噂話で、正確な話かははっきりしない。
ただ、可能性はある。
パパのタイムスリップマシンの、資料やらなんやらを見れば、誰だって作ることができるから。
それって、私を迎えにきたってことだよね…??
じゃあ私…。
そこまで考えると、私はほっぺを両手で叩いた。
ううん、大丈夫!!
…きっと。
そう思って、洗濯物を干す。
それと同時に、聞き覚えのある声が聞こえた。
「…真珠…、真珠ちゃんっ!??」
その声に、私を振り向く。
そこにはパパのお姉ちゃんが立っていた。
ううん、その後ろにはおばあちゃん。
それとおじいちゃんまで。
「…随分大きくなってぇ。真珠ちゃんが行方不明になった…って、ずーっとおおさわぎだったのよ。」
「…えぇ、あ、はい…。」
あれからもう2年以上も経つのに、まだ私のこと覚えててくれたんだ…。
嬉しいはずなのに、なんだか嬉しく思えない。