新撰組と一人の少女-sinzyu-(再)
「本当に生きててくれてただけで嬉しいよ。無事でよかった。」
「ほんまにほんまに。」
そこまでくると、ずっと黙り込んでた私はやっと口を開いた。
「…どうやってここに…??」
「え??ああ、英夫の部屋にあった資料を参考にして、2年もかけてタイムスリップマシンを作ったのよ。」
英夫(ひでお)っていうのはパパのこと。
「…何のために…ですか??」
そこまで来ると、私の心臓の音が大きくなった。
おばあちゃん達は私に微笑みかける。
「真珠ちゃんを迎えにきたのよ。」
その言葉を耳にした私は、体を固まらせた。
予想はしていたが、やはり身を固まらせてしまう。
「そうよ。このまま江戸時代なんかに生きてたら、真珠ちゃんだって嫌でしょう。」
「真珠ちゃんだって寂しかったものねぇ。」
嫌…??
寂しい…??
ううん、そんなこと1つも思ってない。
むしろその逆。
…でも最初はすごく寂しかった。
辛かった…、けど。