新撰組と一人の少女-sinzyu-(再)
「くっそ…。覚えてろよ!!壬生浪!!」
そう言って、岸辺 豊太郎は逃げていった。
私は立ち上がろうとした。
でも、足の痛みのせいか、力が出ない。
すると、私を助けてくれた人が座り込んで、私を見つめた。
「大丈夫か…??」
「いえ…私は全然…。それより、血…!!」
その人の服には、所々に血が滲んでいた。
「これくらいなんてことねぇよ。大体、女が刀なんか持って出掛けるのは危ない。すぐ帰れ。」
「いえ、私やらなきゃいけないことがあるんです!!」
「…?」
「この前、父が殺され、亡くなりました。岸辺 豊太郎という人に。…私はその人が許せなくて…、父の仇を討とうって決めたんです。…だから、帰りません。」
「お前…。」
「…壬生浪…って言ってましたよね。お名前はなんていうのですか??」
「俺は壬生浪士の【土方 歳三(ヒジカタ トシゾウ)】だ。」
「土方…様ですか。私は金森 真珠。壬生浪っていうのは、何をするんですか??」