新撰組と一人の少女-sinzyu-(再)
───「家から離れて暮らすんだぞ。それでもいいのか??」
「大丈夫です!!私は子供なんかじゃありませんからっ!!!」
京の都を歩きながら、土方さんと私はそんなことを話していた。
「お前はいくつなんだ??」
「16です」
「子供じゃねぇか」
「子供じゃありませんっ!!」
そう言ってるうちに、私の家の前に到着。
私は土方さんを見ると、お辞儀をした。
「荷物を取ってきます。」
「ああ。…ここは豆腐屋か??」
「?……はい。そうですけど。」
「そうか」
それから、私は服やら何やらを縛り、背負うと土方さんの元へ向かった。
「そんなに荷物があんのか…??」
「はいっ!!……駄目でしたか??」
「…別に駄目ってことはねぇけど……ん?何だこれは。」
「服ですけど。」
私はハッとした。
そういえば土方さん、私が未来から来たこと、知らないんだ。
そりゃ、私が住んでた時代の服を、この時代の人がみれば不思議に思うだろう。
「あの…。実は…、私未来から来た者なんです。」
「みらい…??そんな場所があったのか」
「いえ。場所じゃなくて…。とにかく、この時代の者じゃないんです。…もっと先の時代からやってきて…。」
「変な奴だな、お前。」
土方さんが笑った。
私もつられて笑ってみる。